文化的観点からの概説

女装はある一定の水準に達した文化の上に成立する。例えば現代の日本では衣料や装身に纏わる製品は、性別という絶対基準に沿って製造され、そのマーケットを展開している。しかし、その意向に沿わずに購入し身に付ける場合、それを異性装と言うのだが、この範疇に女装は位置する。これらは単に外見要素に留まるものではなく、心理要因に纏わる仕草や言動、さらには思想に至るまで異性に固有とされるスタイルに準ずる事となるようだ。女装はこのように両性の間に於いて一般社会で歴然とした差が生まれた場合が前提となり、前述のように、衣装やアクセサリーなどは時代を象徴する生産物であり、文明につながる所産である以上、文化的な現象と捉える事が妥当である。従って生物的な事象でない為、個人の心理動向の基にある性別に対する認識がその全てであると言えるのではないか。当社業務は画像製作を専門とするが、その内にポートレート部門があり、被写体に求める発言としてポージングは「男だから、、、、」「女なので、、、」等の行動規範に沿って決定づけられるイメージは、その人物に性役割を演じさせていると言える。女装の撮影に関する写真工房のスタンスは性別を意識せず、両性を超越した常人とは異なる表現を成しうる能力と受け止め、その卓越した魅力を描写することが最大のポイントであり、画像を創作する上での重要な課題と言えるのではないか。