中世社会に見られる現象

博物館などに展示されている資料写真では持者(じしゃ)と呼ばれる職業人の活動の様子が描写されている。鎌倉から室町の時代には「職人歌合」という活動が流行し、その行為は現在でいう心療内科医的な能力を持つ者が主に女性に対して予言に似た説教を施すというものであった。当時の資料写真から推察するにその職人の容姿は僅かながら口髭を生やしており、顔の輪郭も女のそれではなく、男性が女装したものであるようだ。つまり双性的な立場で神性を持って呪術(神霊などの超能力的な自然を超えた神秘的な力に働きかけ、様々な願望を達成させようとする行為、及びそれを信じる考え。呪い・魔法・魔術など。)すると言うものである。このように日本の過去歴史上に見られる女装の実態は単なる嗜好から発生すると言った次元のものではなく、有る一定の能力を超える際に必要となる儀式的衣装と考えることも出来る。現在、当社の撮影業務で展開するポートレート撮影での女性の装身はともすると無秩序に拡散されるが、上述のような観点から考えると些か違和を感じざるを得ない。女装ファッションの奥深さを垣間見る歴史上の事実である。